トルコ地方選挙目前、トルコリラ円(TRY/JPY)の予想。エルドアン大統領禁じ手を発動。
(エルドアン大統領の地元イスタンブールの港町)
皆さん、こんにちは。
FXソルジャーの前田さんです。
2019年3月31日、トルコではいよいよ地方選挙ですね。
トルコリラは選挙の度に荒れる通貨です。
4月1日、月曜日のボラリティが大きくなるであろうと予想できるため、さすがに売りで週末持ち越しする人の数は減った様で、19.80円まで上げて引けました。
4月1日、トルコリラ円の予想
トルコリラ円下落をほとんどの方が予想して仕込んでいた事が伺えしれますが、投資家の心理とは裏目に動くのが世の常というもの。
裏の裏を読んで買い玉を仕込めればいいんですが、やはり下落の可能性も高くて難しい相場です。
3月22日(金)頃から、トルコリラはボラティリティが非常に大きくなっています。
これを受けて、トルコ中銀は週明け(3月25日)からトルコリラの供給を極端に減らして、スワップ金利を1300%まで上昇させるという禁じ手を発動しました。
つまり、トルコリラの空売りコストを非常に高くしたというわけです。
すると、ヘッジファンドなどが損失を避けるために、今度はトルコの株と債券を売り始めるという展開に発展しました。
トルコリラ円はスワップ金利上昇により一時上昇しましたが、その後下落に転じています。
何が起きるか予想が難しいです。
地方選挙では、エルドアン大統領のAKPが負けるのではないかという予想が出ています。
負けた方がトルコリラが上昇する可能性が高いのではないかと個人的には思いますが、市場はどう判断するのでしょう。
逆にエルドアン陣営が勝利した場合は、トルコリラ円は下がるのではないかと予想していますが、さて、どうなるでしょう。
劣勢に立たされるエルドアン大統領
現在、エルドアン陣営は劣勢に立たされています。
ピンチなのです。
理由は、トルコ経済の悪化や失業率の増加で、トルコ国民から呆れられており、明日の地方選で野党に負ける予想が高まっているのです。
我らがエミンユルマズ先生もエルドアン陣営が負けるのではないかという予想を立てていました。
最も注目されているのは、イスタンブール、アンカラ、イズミル市長選で、エルドアン陣営の候補がこれら2つ都市で勝てるか否かが焦点となります。
イズミルは確実に野党CHPが勝つと予想されている状況なので、残りのイスタンブール、アンカラで激戦が予想されているわけです。
現在、多くの方がイスタンブールはエルドアン大統領の地元という事もありエルドアン陣営が取ると予想されていますが、アンカラは野党が取るのではないかと予想されています。
禁断の手を発動
エルドアンとしては2つの都市を落とすわけにはいきません。
なんとしても、これを防ごうとしているのか、この土壇場で禁断の手を使おうとしています。
トルコは何かと禁断の手を発動したがります(汗)
その内容ですが、なんとトルコのイスタンブールにある至宝、そして世界遺産でもあるアヤソフィア博物館をモスクにする可能性を示唆したのです。
(アヤソフィアの外観)
(アヤソフィアの内観)
歴史のある建物です。
今回のエルドアンの発言によって、喜ぶのはイスラム教の人々です。
明日の地方選において、経済や失業率を悪くしたエルドアン呆れて票を入れるか否か迷っているイスラム教の人々を、アヤソフィアをイスラムに取り戻してくれるならと、エルドアンに票を入れてくれる事を狙っているわけです。
選挙というのは、勝つためには何でもやる気概が必要なのでしょう。
さぁ、どうなる事でしょう。
トルコ地方選挙から目が離せません。
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